パチンコ台では、乾燥した環境や樹脂部品同士の摩擦によって静電気が発生し、遊技球の玉詰まりや電子基板の誤作動につながることがあります。しかし、このような現象は発生条件が一定ではなく、原因を特定することが難しいケースも少なくありません。本事例では、コロナ帯電ガンを用いて狙った箇所へ人工的に帯電させ、静電気トラブルを再現することで、発生条件の整理や対策効果の比較評価を行う方法をご紹介します。開発・品質評価・不具合解析など、静電気の影響を可視化したい場面で活用できます。
パチンコ台には樹脂製レールやカバー、電子基板、金属部品などさまざまな材料が使用されています。遊技球がレール上を高速で移動したり、樹脂同士が接触・分離したりすると摩擦帯電(接触帯電)が発生し、周囲に静電気が蓄積します。特に湿度が低い冬季や空調の効いた室内では電荷が逃げにくくなるため、静電気の影響が大きくなる傾向があります。
帯電した樹脂部品やレール周辺では、遊技球との間に静電気による引力(クーロン力)が発生し、球の動きが変化することがあります。その結果、玉詰まりや流れの乱れが発生したり、帯電した部品から電子回路へ静電気放電(ESD)が起こることで、センサーや制御基板の誤動作につながる可能性があります。
評価試験では、コロナ帯電ガンを使用してトラブルが発生しやすい箇所へ局所的に帯電を与えます。現象を意図的に再現することで、どの部位が静電気の影響を受けているのかを確認し、材質変更やアース追加、形状変更などの対策効果を比較できます。
例えば、球が流れるレール部へ帯電させて玉詰まりを再現したり、センサーや基板周辺へ帯電させて誤作動の発生条件を確認したりすることで、発生位置や発生タイミングを整理できます。同じ条件で繰り返し評価できるため、対策前後の比較試験や品質評価にも活用できます。
静電気トラブルを人工的に再現できるようになることで、再現性の低い不具合の解析が進めやすくなります。発生条件を整理しながら評価できるため、原因究明の効率向上や、対策部品・アース処理・材質変更などの効果比較にも役立ちます。また、評価結果を社内で共有しやすくなり、開発部門・品質保証部門・製造部門が共通の条件で検証を進められる点もメリットです。
コロナ帯電ガンは、高電圧によるコロナ放電を利用して対象物へ電荷を与える装置です。接触せずに帯電させられるため、狭い箇所や複雑な形状でも評価しやすい特徴があります。静電気の影響は、湿度・材質・表面状態・アース条件によって大きく変化するため、比較試験ではこれらの条件をできるだけ一定に保つことが重要です。また、静電気放電(ESD)の評価だけでなく、「どこが帯電すると不具合が発生するのか」という帯電状態そのものを調査できる点が、本試験方法の特徴です。
高電圧を使用した評価試験は、必ず安全管理のもとで実施してください。静電気の発生状況は湿度や温度、対象物の材質、表面状態、接地条件などによって大きく変化します。比較試験を行う場合は、試験条件をできるだけ統一し、同じ環境で評価することが重要です。また、可燃性ガスや可燃性蒸気などの引火性雰囲気では使用できません。
コロナ帯電ガンは、対象物へ非接触で帯電を与えるための装置です。玉詰まりやセンサー誤作動が発生しやすい箇所へ局所的に帯電させることで、不具合の再現試験や対策効果の比較評価に活用できます。評価内容に応じて帯電距離や印加電圧を調整することで、さまざまな条件での検証が可能です。
帯電装置 GTシリーズ
コロナ帯電ガンセット(GC90・PN)
簡易帯電ガン(GC50S)
お問い合わせ
パチンコ台や遊技機で発生する静電気トラブルは、発生頻度が低くても品質や信頼性に大きく影響する場合があります。原因究明には「静電気が関係しているか」を確認するだけでなく、現象を繰り返し再現できる評価環境を構築することが重要です。当社では、対象部品や評価内容に応じた帯電方法や評価条件についてご相談を承っております。開発・品質保証・不具合解析などで静電気試験をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
お問い合せ、資料請求などお気軽にご連絡ください