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静電チャックだけじゃない ─ 静電吸着という新しい選択肢を専門家が解説

2025/12/16

<記事の信頼性について>

本記事は、静電気技術の専門メーカーである株式会社グリーンテクノの担当者が制作・監修しています。

株式会社グリーンテクノは、1969年創業。
静電気の「発生・帯電・放電」に関する装置の研究開発・製造・販売を一貫して行う専業メーカーとして、50年以上にわたり、製造業・研究機関・大学など多様な分野の課題解決に貢献してきました。

実際に現場での課題対応を行っている担当者が、導入経験や技術知見をもとに執筆しており、高い技術的信頼性と実用性を担保しています。

 

はじめに──「静電チャックで十分」と思っていませんか?

半導体製造装置や真空装置で広く使われている静電チャック。

真空・高温・プラズマ環境といった厳しい条件でワーク(被加工物)を安定して保持できるため、高精度な製造工程には欠かせない技術として知られています。

しかし、すべての吸着用途に静電チャックが最適とは限りません。

装置の規模、対象物の種類(柔らかいフィルム・紙・樹脂など)、環境条件(常圧/真空)、さらにはコストやメンテナンス性まで考慮すると、よりシンプルで柔軟な「静電吸着」が適している場面も多くあります。

本記事では、静電チャックと静電吸着の違いをわかりやすく整理し、静電気帯電装置の専門メーカーである株式会社グリーンテクノが、現場で“使いやすく、導入しやすい”静電吸着技術をご紹介します。

 

静電チャックとは ─ 高精度な保持を実現する「構造型吸着」

静電チャックの基本構造と仕組み

静電チャックは、内部に電極と誘電層を持つ構造体で、電圧を印加して静電力を発生させ、ワークを吸着します。

誘電層を介して電極とワークの間に生じる静電力により、対象物をしっかり固定できる仕組みです。

静電チャックには主に次のようなタイプがあります。

これらは真空環境や高温プロセスでも安定して動作し、半導体ウエハやガラス基板などの高精度保持に優れています。

 

静電チャックの得意な分野

 

静電チャックの注意点

静電チャックは「高精度・高環境耐性」を求める場面では最適ですが、汎用的な搬送や仮固定ではコストや柔軟性の面で課題が残ります。

 

静電吸着とは ─ シンプルな構造で多用途に対応できる「表面帯電型吸着」

静電吸着の原理

静電吸着(静電気吸着)は、静電気そのものを利用して対象物を保持する技術です。

帯電装置(帯電ガンや帯電バーなど)を用いてワークや治具の表面を帯電させ、その静電力(クーロン力・誘電分極)によって対象物を吸着させます。

静電チャックのような内蔵電極を持たず、既存のテーブルや治具に後付けで導入できる手軽さが特徴です。

 

静電吸着の強み

静電吸着は、真空環境が不要な製造ラインや、軽量・柔軟な素材の搬送・貼り合わせ工程で活用されています。

 

静電チャックと静電吸着の違い

項目 静電チャック 静電吸着
吸着原理 内蔵電極+誘電層による構造型吸着 表面帯電による静電気吸着
電圧の目安 数百〜数千V 数kV〜数十kV
吸着対象 半導体ウエハ、ガラス基板など フィルム、紙、樹脂シート、薄板など
使用環境 真空・高温・プラズマ環境 常圧・大気環境
構造 固定式・精密設計 シンプル・後付け可能
主な用途 半導体製造、FPD加工 搬送ライン、貼り合わせ、仮固定
メリット 高精度保持、高環境耐性 柔軟、低コスト、軽量構造
グリーンテクノの視点 放電・リーク制御が重要 帯電条件設計で性能を最適化

結論:どちらが優れているかではなく、工程や目的に応じて「静電気の使い方」を選ぶことが大切です。

 

静電チャックでは難しい場面に“静電吸着”という選択肢を

以下のようなケースでは、静電吸着(静電気吸着)がより効果的です。

グリーンテクノでは、帯電装置を用いて静電吸着の再現・評価を行い、電圧・極性・印加条件・電極形状を最適化することで、対象物や環境に合わせた理想的な吸着性能を設計します。

「真空環境は不要」「静電チャックでは大げさすぎる」

そんな現場に、軽量・柔軟・制御自在な静電吸着という新しい選択肢を。

 

グリーンテクノが支援する静電吸着技術

株式会社グリーンテクノは、静電吸着の研究・試作・導入支援を一貫して行っています。

<主な支援内容>

 

これにより、静電チャックでは対応が難しかった素材や工程でも、静電気の力を安全かつ効率的に活用することが可能になります。

静電チャックしか知らなかった方にも、「静電気吸着技術にはもっと自由な使い方がある」ことを体験いただけますよ。

 

グリーンテクノの代表製品

コロナ帯電ガンセット

グリーンテクノの代表的な高電圧帯電装置で、引き金操作で先端からコロナ放電を発生し、対象物に静電気を帯電させるガンタイプです。

詳細リンク:https://www.greentechno.co.jp/products/gc90-2/

 

最大90kVまで出力でき、電圧・極性・照射距離などを自由に設定できるため、静電吸着の条件出しや実験評価に最適です。

±両極を切り替えて吸着と解放を確認できるため、静電チャックの代替や補助検討にも使われています。

コントローラーとガンが分離しており、リモート操作や電圧モニタも可能。研究開発から量産ラインの現場検証まで、最も汎用性の高い帯電装置です。

 

コロナ帯電バー

搬送ラインや貼り合わせ工程に組み込むバータイプの帯電装置です。

詳細リンク:https://www.greentechno.co.jp/products/charging-bar/

 

バー全体から均一にコロナ放電を行い、広い面積のシートやフィルムを均一帯電させられます。

ロールtoロールの浮き防止、貼り合わせ時の仮固定、搬送中の蛇行抑制などに有効で、静電チャックを使うほどではない工程に最適です。

高圧電源をバーに内蔵しており、ノイズの少ない安全設計。長さは500mmを標準に、最大1mまで対応します。

グリーンテクノの帯電ガン(GC90)で条件を見つけた後、このバーでライン実装する流れが推奨されています。

 

電池式帯電ガン(GC25B・GC50B)

単3電池で駆動するポータブルタイプの帯電装置です。

詳細リンク:https://www.greentechno.co.jp/products/gc25b/

 

最大50kVの出力を持ちながら、軽量・コードレスで、コンセントのない現場でも手軽に静電吸着を試せます。

静電気吸着の現場デモ・仮検証・教育用として重宝され、紙やフィルムの仮固定、除電効果の再現などにも活用されています。

高電圧ながら微電流設計で安全性が高く、グリップにはアース線を標準装備。

「まずは簡単に静電吸着の効果を確かめたい」場合の入門機として位置づけられます。

 

<使い分けの目安>

初期検証・現場テスト 電池式帯電ガン(GC25B/50B)
条件最適化・試作評価 コロナ帯電ガン(GC90)
ライン実装・量産導入 コロナ帯電バー(B-500)

グリーンテクノでは、これらの帯電装置を用いて静電吸着の再現・評価から実装まで一貫支援を行っています。

 

https://www.greentechno.co.jp/products/

 

まとめ ─ 静電チャックの先にある、静電吸着という可能性

静電チャックは、真空や高温環境での高精度保持に特化した技術です。

一方の静電吸着(静電気吸着)は、その原理を応用し、

常圧・大気環境での柔軟な吸着や仮固定を可能にする技術です。

 

株式会社グリーンテクノは、静電気の発生・帯電・放電を制御する専門メーカーとして、

静電吸着の評価・条件設計・応用支援を通じて、

製造現場に新しい静電利用の可能性を提供しています。

 

静電チャックで解決できなかった課題を、静電吸着で“シンプルに、自在に”解決する。

それが、グリーンテクノが提案する次の静電技術です。

もしこのような想いをお持ちになりましたら、ご相談ください。

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